合成した化合物の炭素骨格を確かめるため、¹³C 核磁気共鳴スペクトルを、プロトン…
合成した化合物の炭素骨格を確かめるため、¹³C 核磁気共鳴スペクトルを、プロトンとの結合による分裂を消す条件で測定した。¹³C 核磁気共鳴スペクトルに関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 化学シフトの幅は ¹H と同じく、おおむね0〜12 ppmの範囲に収まる。¹³C の化学シフトはおおむね0〜220 ppmと広く、¹H の0〜12 ppm程度より大きく広がっています。
- ⑵ カルボニル基の炭素は、メチル基の炭素より化学シフトの大きい側に現れる。カルボニル炭素は酸素に電子を引かれて遮蔽が弱く、170〜210 ppm付近の化学シフトの大きい側に現れます。メチル炭素はおおむね10〜30 ppmです。
- ⑶ この測定条件では、炭素のシグナルは結合した水素の数に応じて多重線に分かれる。プロトンとのスピン結合を消すデカップリング条件では、各炭素のシグナルは1本ずつ現れます。多重線に分かれるのは消さない条件です。
- ⑷ ¹³C は天然存在比が高いため、¹H の測定より短い時間で十分な感度が得られる。¹³C の天然存在比は約1.1%と低く、磁気回転比も小さいため感度が低く、多くの積算が必要です。
- ⑸ この測定条件でのシグナルの面積の比は、それぞれの炭素の数の比を正確に表す。通常の条件ではNOE効果や緩和時間の違いによりシグナル強度が炭素数に比例せず、面積比で数を正確には求められません。
解説
正解は、カルボニル炭素がメチル炭素より化学シフトの大きい側に現れるという記述です。電気陰性度の大きい酸素と結合したカルボニル炭素は遮蔽が弱く、170〜210 ppm付近に現れます。¹³C は天然存在比が約1.1%で感度が低いため積算を重ね、通常はプロトンとの結合を消して各炭素を1本のシグナルとして観測します。化学シフトの幅は約220 ppmと広い一方、シグナル強度は炭素数に比例しません。
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