合成した医薬品原料の構造を確認するため、重水素化クロロホルムに溶かして水素の核磁…
合成した医薬品原料の構造を確認するため、重水素化クロロホルムに溶かして水素の核磁気共鳴スペクトルを測定した。このスペクトルの読み取り方に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 基準物質のテトラメチルシランは、スペクトルの最も低磁場側に現れる。テトラメチルシランの水素は強く遮蔽されていて高磁場側に現れ、0 ppmの基準とされます。
- ⑵ シグナルの面積の比は、それぞれのシグナルを与える炭素の数の比を表す。水素の核磁気共鳴では、面積の比はシグナルを与える水素の数の比を表します。
- ⑶ 隣の炭素に等価な水素が3個あると、そのシグナルは3本に分裂する。隣接する等価な水素がn個あると、シグナルはn+1本に分裂するので、4本になります。
- ⑷ 化学シフトをppmで表すと、装置の磁場の強さが違っても同じ値になる。化学シフトは基準物質からの共鳴周波数のずれを装置の周波数で割った値なので、磁場の強さによらず同じ値になります。
- ⑸ 電気陰性度の大きい原子の近くにある水素は、低磁場側に現れる。電気陰性度の大きい原子が電子を引き寄せて水素の遮蔽が弱まり、化学シフトが大きくなります。
解説
正しいのは、化学シフトをppmで表すと磁場の強さによらず同じ値になるという記述と、電気陰性度の大きい原子の近くの水素が低磁場側に現れるという記述です。水素の核磁気共鳴スペクトルでは、化学シフトから水素の置かれた環境、シグナルの面積比から水素の数、分裂の様子から隣の炭素上の水素の数が分かります。分裂はn+1則に従い、テトラメチルシランは高磁場側の0 ppmの基準になります。
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