ある懸濁性の内用液剤は、瓶をよく振ると流れやすくなって量り取りやすくなり、しばら…
ある懸濁性の内用液剤は、瓶をよく振ると流れやすくなって量り取りやすくなり、しばらく置いておくと再びとろみが戻って粒子が沈みにくくなる。この製剤が示す流動の性質として、正しいのはどれか。
- ⑴ 時間がたつほど粒子が沈んで底で固まり、振っても元の均一な状態に戻らなくなるケーキングである。ケーキングは懸濁剤の品質の低下で、振ると流れやすくなる流動の性質ではありません。
- ⑵ ずり速度を変えても粘度が一定の値を保ち、ずり応力とずり速度が比例して流れるニュートン流動である。ニュートン流動では振っても置いても粘度は変わらず、この製剤のふるまいとは合いません。
- ⑶ 一定の大きさの力を超えるまでは流れず、超えるとずり応力とずり速度が直線の関係で流れる塑性流動である。塑性流動には降伏値がありますが、置いておくと時間をかけて元に戻る性質は説明できません。
- ⑷ 振ると内部の網目の構造が壊れて見かけの粘度が下がり、静置すると構造が戻るチキソトロピーである。振ると流れやすく、置くと元に戻る性質はチキソトロピーで、懸濁剤の設計に利用されます。
- ⑸ ずり速度が大きくなるほど粘度が高くなり、強くかき混ぜるほど固くなるダイラタント流動である。ダイラタント流動は振るほど流れにくくなる性質で、この製剤とは逆のふるまいです。
解説
正解は⑷です。チキソトロピーは、かき混ぜたり振ったりすると粒子どうしがつくる網目の構造が壊れて見かけの粘度が下がり、静置すると時間をかけて構造が回復して粘度が戻る性質です。懸濁剤では、置いている間は粘度が高く粒子が沈みにくく、使う前に振ると流れやすくなって量り取りやすくなるため、製剤の設計に利用されます。ずり速度と粘度の関係だけで決まるニュートン流動や塑性流動とは区別されます。
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