ホルモン受容体が陽性の乳がんで手術を受けた、閉経前の42歳の女性に、再発を防ぐた…
ホルモン受容体が陽性の乳がんで手術を受けた、閉経前の42歳の女性に、再発を防ぐためタモキシフェンが処方された。この薬ががん細胞の増殖を抑えるしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体を持続的に刺激し、卵巣からの分泌を抑える。持続的な刺激で卵巣の働きを抑えるのはリュープロレリンなどの作用です。
- ⑵ がん細胞の微小管に結合して脱重合を妨げ、細胞分裂を途中で止めて増殖を抑える。微小管の脱重合を妨げるのはパクリタキセルなどの作用です。
- ⑶ 乳腺のエストロゲン受容体でエストロゲンと競合し、がん細胞の増殖を促す信号を抑える。タモキシフェンは選択的エストロゲン受容体調節薬で、乳腺では拮抗薬として働きます。
- ⑷ 副腎や脂肪組織のアロマターゼを阻害し、男性ホルモンからエストロゲンがつくられるのを抑える。アロマターゼの阻害はアナストロゾールなどの作用で、主に閉経後の患者に用います。
- ⑸ がん細胞の表面にあるヒト上皮増殖因子受容体2型に結合し、増殖の信号を遮断する。この受容体に結合するのはトラスツズマブなどの抗体医薬の作用です。
解説
正解は⑶です。ホルモン受容体が陽性の乳がんは、エストロゲンがエストロゲン受容体に結合することで増殖が促されます。タモキシフェンは乳腺の組織でエストロゲン受容体に結合してエストロゲンと競合し、増殖を促す信号を抑えます。一方、子宮内膜などでは弱い作動薬として働くため、長く服用すると子宮体がんや血栓症のおそれがあります。閉経前の患者にも使える点が、アロマターゼ阻害薬との違いです。
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