58歳の女性。変形性膝関節症でアセトアミノフェンを服用している。薬局の勉強会で、…
58歳の女性。変形性膝関節症でアセトアミノフェンを服用している。薬局の勉強会で、アセトアミノフェンのもつフェノール性ヒドロキシ基の酸性度を考えるため、パラ位の置換基が異なるフェノール誘導体を比べた。次のうち、水中でプロトンを最も放出しやすい化合物はどれか。
- ⑴ フェノール置換基のないフェノールより、電子求引基をもつ誘導体の方が酸性は強くなります。
- ⑵ 4-メトキシフェノールメトキシ基は共鳴で環に電子を与えるため、フェノキシドイオンを不安定にし、酸性はフェノールより弱くなります。
- ⑶ 4-ニトロフェノールニトロ基は強い電子求引基で、フェノキシドイオンの負電荷を共鳴で広げて安定化するため、酸性が最も強くなります。
- ⑷ 4-メチルフェノールメチル基は電子供与性で陰イオンを不安定にするため、フェノールより酸性が弱くなります。
- ⑸ 4-クロロフェノール塩素は誘起効果で酸性をやや強めますが、ニトロ基ほどの強い効果はありません。
解説
正解は⑶です。フェノールの酸性度は、プロトンを放出して生じるフェノキシドイオンの安定性で決まります。パラ位のニトロ基は誘起効果と共鳴効果の両方で電子を引きつけ、負電荷をニトロ基の酸素原子にまで非局在化させるため、陰イオンを強く安定化します。塩素は誘起効果で酸性をやや強め、メチル基やメトキシ基は電子を与えて陰イオンを不安定にするため、酸性を弱めます。したがって4-ニトロフェノールの酸性が最も強くなります。
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