82歳の女性。アルツハイマー型認知症があり、最近怒りっぽくなって家族に大声を出し…
82歳の女性。アルツハイマー型認知症があり、最近怒りっぽくなって家族に大声を出したり、夜に眠れずに落ち着かなくなったりしている。症状を和らげるため漢方薬が検討された。処方と、その使用で注意する点の組み立てとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 防風通聖散を用い、構成生薬にダイオウを含むため、便秘が悪化しないかに注意する。防風通聖散は主に肥満傾向の人に用いる処方で、ダイオウでは下痢に注意します。
- ⑵ 抑肝散を用い、構成生薬にカンゾウを含むため、血清カリウム値の低下やむくみに注意する。抑肝散は興奮や易怒性などの症状に用いられ、カンゾウによる偽アルドステロン症に注意が必要です。
- ⑶ 五苓散を用い、構成生薬にカンゾウを多く含むため、偽アルドステロン症に注意する。五苓散は水分の偏りによる症状に用いる処方で、カンゾウは含まれていません。
- ⑷ 補中益気湯を用い、構成生薬にマオウを含むため、動悸や不眠が強まらないかに注意する。補中益気湯は疲労倦怠などに用いる処方で、マオウは含まれていません。
- ⑸ 葛根湯を用い、構成生薬にブシを含むため、舌や口のしびれが出ないかに注意する。葛根湯はかぜの初期などに用いる処方で、ブシではなくマオウを含みます。
解説
正解は⑵です。抑肝散は、神経の高ぶりによる興奮、怒りっぽさ、不眠などに用いられる漢方処方で、認知症に伴う行動・心理症状に使われることがあります。構成生薬にカンゾウを含むため、高齢者では低カリウム血症、血圧の上昇、むくみなどの偽アルドステロン症に注意し、定期的に血液検査で確認します。防風通聖散、補中益気湯、葛根湯、五苓散は、それぞれ用いる症状や含まれる生薬が異なります。
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