ある薬物は消失半減期が短く、通常の錠剤では1日4回の服用が必要で、服用直後の血中…
ある薬物は消失半減期が短く、通常の錠剤では1日4回の服用が必要で、服用直後の血中濃度の高い時間帯に副作用が出やすい。この薬物にDDSの技術を適用する主な目的として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 化学構造を変えて受容体への親和性を高め、少ない投与量で同じ効果を得られるようにする。構造を変えて親和性を高めるのは新しい化合物の設計で、製剤による送達の工夫とは異なります。
- ⑵ 肝臓の代謝酵素を誘導して消失を速め、副作用が続く時間を短くできるようにする。消失を速めると服用回数がさらに増え、DDSの目的とは逆の方向になります。
- ⑶ 吸収を速めて最高血中濃度を高くし、服用してから効果が現れるまでの時間を短くする。最高血中濃度を高めると、この薬物で問題となっている服用直後の副作用が強まります。
- ⑷ 製剤の味やにおいを改善して飲みやすくし、1日の服用回数を増やしても続けやすくする。味の改善は服用しやすさの工夫ですが、血中濃度の変動や頻回服用の問題は解決しません。
- ⑸ 放出を制御して血中濃度の変動を小さくし、服用回数を減らしながら副作用を避ける。放出制御により血中濃度の山と谷を小さくし、服用の負担と濃度の高すぎによる副作用を減らせます。
解説
正解は⑸です。半減期の短い薬物を通常の製剤で投与すると、服用のたびに血中濃度が大きく上下し、濃度の高い時間帯には副作用が、低い時間帯には効果不足が起こりやすくなります。また1日に何回も服用する必要があり、飲み忘れの原因にもなります。DDSの技術で薬物の放出を制御すると、血中濃度を治療域の中に長く保つことができ、服用回数の削減と副作用の軽減を同時に図れます。これがDDSが必要とされる代表的な理由の一つです。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。