急性白血病の化学療法中に発熱が続く60歳の女性が、侵襲性アスペルギルス症を疑われ…
急性白血病の化学療法中に発熱が続く60歳の女性が、侵襲性アスペルギルス症を疑われ、ボリコナゾールの点滴静注が開始された。この患者はタクロリムスも服用している。抗真菌薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ミカファンギンは、真菌の細胞膜のエルゴステロールの合成を阻害して、真菌の増殖を抑える。ミカファンギンはキャンディン系で、細胞壁の1,3-β-D-グルカンの合成を阻害します。
- ⑵ ボリコナゾールなどのアゾール系はCYP3A4などを阻害するため、タクロリムスの血中濃度を上げることがある。代謝酵素の阻害で併用薬の消失が遅れるため、タクロリムスの減量や血中濃度の測定が必要になります。
- ⑶ アムホテリシンBは、真菌の細胞膜のエルゴステロールに結合して、膜に孔をあけて殺菌する。ポリエン系で、エルゴステロールと複合体をつくって膜の透過性を高めます。腎障害に注意が必要です。
- ⑷ テルビナフィンは、真菌の細胞壁をつくる1,3-β-グルカンの合成を阻害して作用を示す。テルビナフィンはスクアレンエポキシダーゼを阻害し、エルゴステロールの合成を妨げます。
- ⑸ フルシトシンはヒトの細胞の中で効率よくフルオロウラシルに変わり、ヒトのDNAの合成を選択的に強く阻害する。フルシトシンを活性体に変える酵素は真菌にあってヒトの細胞にはほとんどないため、真菌に選択的に作用します。
解説
正しいのは、アゾール系の相互作用と、アムホテリシンBの作用機序についての記述です。抗真菌薬は、細胞膜のエルゴステロールに結合するポリエン系、その合成を阻害するアゾール系やアリルアミン系、細胞壁のグルカン合成を阻害するキャンディン系などに分けられます。アゾール系はCYP3A4などを阻害するため、免疫抑制薬などとの併用では血中濃度の確認が欠かせません。ボリコナゾール自体も血中濃度を測って調節します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。