12月、ある高齢者施設で嘔吐と下痢を訴える入所者が2日のうちに10人以上となり、…
12月、ある高齢者施設で嘔吐と下痢を訴える入所者が2日のうちに10人以上となり、検査でノロウイルスによる感染性胃腸炎と判明した。施設に助言を求められた薬剤師の対応として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 主な感染経路は空気感染なので、陰圧の個室に入所者を移すことを最優先にするよう勧める。ノロウイルスは主に接触感染や経口感染で広がり、嘔吐物の飛沫も原因になりますが、陰圧室が最優先ではありません。
- ⑵ 使い捨ての手袋・マスク・ガウンを着けて嘔吐物を処理し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒するよう勧める。飛び散った嘔吐物からの感染を防ぎつつ、ノロウイルスに有効な次亜塩素酸ナトリウムで処理します。
- ⑶ 感染の広がりを防ぐため、まだ症状のない入所者にも抗菌薬を予防的に服用させるよう勧める。ノロウイルスはウイルスなので抗菌薬は効かず、予防投与は耐性菌を増やすだけで意味がありません。
- ⑷ 症状が治まった入所者は便にウイルスを出さなくなるので、すぐに通常の生活に戻すよう伝える。症状が治まった後も1週間以上ウイルスが便に出ることがあるため、手洗いやトイレの管理を続けます。
- ⑸ 嘔吐物を取り除いたあと、消毒用エタノールで床を拭き取れば消毒として十分であると伝える。ノロウイルスはエンベロープをもたずアルコールが効きにくいため、エタノールでは消毒が不十分です。
解説
最も適切なのは、手袋・マスク・ガウンを着けて嘔吐物を処理し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒するよう勧めることです。ノロウイルスは少ない量で感染し、嘔吐物や便を介した接触・経口感染や、乾燥した嘔吐物が舞い上がることで広がります。エンベロープがないためアルコールは効きにくく、次亜塩素酸ナトリウムを用います。症状が治まってもウイルスの排出が続くため、手洗いの徹底も欠かせません。
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