代謝酵素の遺伝子多型や、酵素の誘導・阻害は、薬の効果や副作用の個人差の原因となる…
代謝酵素の遺伝子多型や、酵素の誘導・阻害は、薬の効果や副作用の個人差の原因となる。代謝にかかわる個人差と相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ フェノバルビタールは肝臓の代謝酵素を阻害する働きが強く、併用した薬の血中濃度を上げやすい。フェノバルビタールは代表的な酵素誘導薬で、併用した薬の代謝を速めて血中濃度を下げます。
- ⑵ イソニアジドのアセチル化が遺伝的に遅い人では、薬が速く消失するため、末梢神経障害などの副作用が起こりにくい。アセチル化が遅い人では血中濃度が高く保たれ、末梢神経障害などの副作用がむしろ起こりやすくなります。
- ⑶ イリノテカンの活性代謝物はグルクロン酸転移酵素(1A1分子種)で抱合され、この酵素の活性が低い人では好中球減少が起こりやすい。活性代謝物の不活性化が遅れて体内に長くとどまり、骨髄抑制や下痢が強く出やすくなります。
- ⑷ メルカプトプリンはチオプリンメチル転移酵素で代謝されるため、その活性が低い人では骨髄抑制が出やすい。メチル化による不活性化が進まないため、活性体が蓄積して重い骨髄抑制を起こすことがあります。
- ⑸ 代謝酵素の誘導は、誘導薬の投与を始めてから数分のうちに最大となり、中止するとすぐ元に戻る。誘導は酵素たんぱく質の合成が増えて起こるため、数日から数週間かけて進み、中止後も戻るまで時間がかかります。
解説
正しいのは、イリノテカンとグルクロン酸転移酵素、メルカプトプリンとチオプリンメチル転移酵素についての記述です。代謝酵素の活性が遺伝的に低い人では、活性体の不活性化が遅れて副作用が強く出ることがあり、投与前の遺伝子検査が行われる薬もあります。イソニアジドのアセチル化が遅い人は副作用が出やすくなります。フェノバルビタールは酵素を誘導し、その効果は数日から数週間かけて現れます。
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