ある薬物を静脈内投与したところ、見かけの分布容積が体重60 kgの成人で約500…
ある薬物を静脈内投与したところ、見かけの分布容積が体重60 kgの成人で約500 Lとなり、全体液量を大きく上回った。この薬物について考えられることとして、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 組織の成分と強く結合し、血漿中の濃度が低く保たれている。組織に多く移行して結合すると血漿中濃度が低くなり、見かけの分布容積が大きく計算されます。
- ⑵ 血液透析を行うと、体内からの除去が短時間で大きく進む。分布容積の大きい薬物は大部分が組織にあるため、透析で血液から除ける量はわずかです。
- ⑶ 目標濃度に早く達するための負荷投与量は、少なくて済む。負荷投与量は目標濃度に分布容積を掛けて求めるので、分布容積が大きいほど多くなります。
- ⑷ 血漿たんぱく質と強く結合し、その大部分が血管内にとどまっている。血漿たんぱく質との結合が強い薬物は血管内に保たれ、分布容積は小さくなります。
- ⑸ 水溶性が高いため、分布が細胞外液の範囲にとどまっている。細胞外液に分布がとどまる薬物の分布容積は、体重60 kgで十数リットル程度になります。
解説
最も適切なのは、組織の成分と強く結合して血漿中濃度が低く保たれているという考えです。見かけの分布容積は体内の薬物量を血漿中濃度で割った値で、実際の体積ではありません。脂溶性が高く組織のたんぱく質や脂肪と強く結合する薬物は、血漿中にわずかしか残らないため、体液量を超える大きな値になります。このような薬物は血液透析で除きにくく、負荷投与量は大きくなります。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。