ある患者の血中薬物濃度を、抗体を用いる免疫測定法と高速液体クロマトグラフィーの両…
ある患者の血中薬物濃度を、抗体を用いる免疫測定法と高速液体クロマトグラフィーの両方で測定した。同じ検体であるのに、免疫測定法の値の方が明らかに高かった。この差の原因として最も考えやすいのはどれか。
- ⑴ 採血後に検体を数日冷蔵したため、その間に薬物が分解して減った。同じ検体を両法で測っているので、分解すればどちらの値も同じように下がります。
- ⑵ 免疫測定法の抗体が、薬物の代謝物にも結合して値に加わった。抗体は構造の似た代謝物とも交差反応することがあり、その分だけ免疫測定法の値が高くなります。
- ⑶ 高速液体クロマトグラフィーで、代謝物が薬物と同じ保持時間に溶出した。代謝物が重なれば高速液体クロマトグラフィーの値が高くなり、差の向きが逆になります。
- ⑷ 高速液体クロマトグラフィーの検出器の感度が、免疫測定法より高かった。感度は検出できる下限の違いであり、十分な濃度の検体で値が系統的に高く出る理由にはなりません。
- ⑸ 血漿たんぱく質に結合した薬物の分が、免疫測定法では測られなかった。結合形の薬物が測られなければ免疫測定法の値は低くなり、観察された差の向きと逆になります。
解説
最も考えやすいのは、抗体が代謝物とも交差反応したことです。免疫測定法は抗原抗体反応を利用するため、操作は簡便ですが、構造の似た代謝物や併用薬にも抗体が結合すると見かけの濃度が高くなります。高速液体クロマトグラフィーは成分を分離してから検出するため、代謝物と薬物を区別して測れます。検体の分解は両法に同じように影響し、結合形が測られない場合は免疫測定法の値が低くなる向きに働きます。
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