55 歳の男性。昨晩、階段を駆け上がり、息切れしているときに左眼が見えないことに…
55 歳の男性。昨晩、階段を駆け上がり、息切れしているときに左眼が見えないことに気づいて来院した。左視力は手動弁である。左の眼底写真(別冊No. 11)を別に示す。正しいのはどれか。
- ⑴ 視力予後は良い。網膜は虚血に弱く、視力予後は不良です。
- ⑵ ERG は正常である。網膜内層の障害でb波が低下し、ERGは陰性型を示します。
- ⑶ 黄斑部に出血がある。網膜中心動脈閉塞では黄斑部の出血は典型的ではなく、桜実紅斑がみられます。
- ⑷ 網膜内層が肥厚している。虚血で網膜内層が浮腫を起こし、肥厚します。
- ⑸ 副腎皮質ステロイド薬が有効である。副腎皮質ステロイド薬は網膜中心動脈閉塞には有効ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。突然の片眼の高度な視力低下(手動弁)と眼底写真から、網膜中心動脈閉塞症が考えられます。網膜の内層が虚血に陥ると細胞が浮腫を起こして白く混濁し、OCTでは網膜内層の肥厚と高反射がみられます。写真は確認できませんが、後極部の白濁と桜実紅斑が想定されます。網膜は虚血に弱く、短時間で不可逆的な障害を受けるため視力予後は不良です。ERGはb波が低下する陰性型を示し、黄斑部の出血は典型的ではなく、ステロイド薬は有効ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-10.html)を加工して作成