48 歳の男性。交通事故による頭部外傷後の意識消失で救急搬送された。集中治療室に…
48 歳の男性。交通事故による頭部外傷後の意識消失で救急搬送された。集中治療室に入院し、受傷後2か月でリハビリ施設へ転院となった。複視を自覚したため精査を希望し受診した。視力は右0.8(0.9×+1.25D ○ cyl-1.00D 100°)、左1.2(矯正不能)。前眼部、中間透光体に所見を認めない。Hess 赤緑試験の結果(別冊No. 11)を別に示す。観察されるのはどれか。
- ⑴ 右眼調節麻痺右動眼神経麻痺では副交感線維も障害され、右眼の調節麻痺がみられます。
- ⑵ 左眼眼瞼下垂眼瞼下垂は患側の右眼に起こり、左眼には生じません。
- ⑶ 右眼右向き眼振右向きの眼振は動眼神経麻痺の所見ではありません。
- ⑷ 左眼内転位固定左眼の内転位固定は左外転神経麻痺などの所見で、本例とは合いません。
- ⑸ 両眼視神経乳頭腫脹受傷後2か月で前眼部・中間透光体に所見がなく、視神経乳頭腫脹を示唆する所見はありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。頭部外傷後の複視で、Hess赤緑試験では右眼の内転・上転・下転の制限を示す右動眼神経麻痺の所見が想定されます。動眼神経には瞳孔括約筋と毛様体筋を支配する副交感線維が含まれるため、麻痺により散瞳とともに調節麻痺が起こります。右眼の矯正視力が左より低いことも、これに矛盾しません。動眼神経麻痺で眼瞼下垂が起こるのは患側の右眼で、左眼の眼瞼下垂や左眼の内転位固定、眼振、視神経乳頭腫脹は本例の所見に合いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp220421-10.html)を加工して作成