70 歳の女性。右眼の変視症を主訴に来院した。視力は右0.7(矯正不能)、左1.…
70 歳の女性。右眼の変視症を主訴に来院した。視力は右0.7(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。眼底写真(別冊No. 3)を別に示す。この病態について正しいのはどれか。
- ⑴ 黄斑円孔黄斑円孔は中心窩の全層欠損で、中心暗点を伴い視力低下がより強いことが多いです。
- ⑵ 糖尿病網膜症糖尿病網膜症の既往はなく、本例の所見には合いません。
- ⑶ 囊胞様黄斑浮腫囊胞様黄斑浮腫は網膜内の嚢胞が特徴で、本例では考えにくいです。
- ⑷ 裂孔原性網膜剝離裂孔原性網膜剝離は視野欠損が主体で、変視症のみの経過は典型ではありません。
- ⑸ 網膜前膜〈黄斑前膜〉黄斑部表面の膜の収縮で網膜に皺が寄り、変視症を来します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。眼底写真は確認できませんが、70歳女性の片眼の変視症で、視力は0.7と比較的保たれていることから、正答の網膜前膜(黄斑前膜)が考えられます。網膜前膜は黄斑部の網膜表面に線維性の膜が形成され、その収縮で網膜に皺が寄るため、物がゆがんで見える変視症を来します。眼底では黄斑部の反射の異常や網膜血管の蛇行、皺が観察されます。加齢に伴う後部硝子体剝離が契機となることが多く、進行すれば硝子体手術で膜を除去します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-10.html)を加工して作成