68 歳の男性。数年前からの上下の複視を主訴に来院した。視力は右0.4(0.9×…
68 歳の男性。数年前からの上下の複視を主訴に来院した。視力は右0.4(0.9×+1.25 D)、左0.6(0.8×+0.75 D)で、やや顎上げの頭位異常がある。大型弱視鏡検査の結果(別冊No. 5)を別に示す。この患者の診断はどれか。
- ⑴ 左下直筋麻痺下直筋麻痺では下方視で偏位が増すため、顎を引く頭位が典型です。
- ⑵ 左上斜筋過動上斜筋過動はA型斜視などの原因で、上下複視と顎上げの典型ではありません。
- ⑶ 右下斜筋過動下斜筋過動はV型斜視などで、顎上げの代償頭位を伴う典型例ではありません。
- ⑷ 右上斜筋麻痺上斜筋麻痺では健側への頭部傾斜と顎を引く頭位が典型です。
- ⑸ 右上直筋麻痺上転筋の麻痺で上方視の偏位が増すため、顎を上げて複視を避けます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。大型弱視鏡の結果は確認できませんが、上下複視と顎上げの頭位異常から、上方視で偏位が増大する上転筋の麻痺が考えられます。右上直筋麻痺では右眼が下斜し、右上方視で上下偏位が最大になるため、上方視を避けて顎を上げる頭位をとります。上斜筋麻痺では健側への頭部傾斜と顎を引く頭位が典型で、下直筋麻痺では顎を下げる頭位をとります。斜筋の過動では顎上げの代償頭位は典型ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-07.html)を加工して作成