66歳の男性。今朝、右眼が急に見えにくくなった。網膜中心動脈閉塞症と診断され、後…
66歳の男性。今朝、右眼が急に見えにくくなった。網膜中心動脈閉塞症と診断され、後極部の網膜は広く白く濁っていた。ところが、視神経乳頭の縁から黄斑へ向かう帯状の範囲の網膜は白く濁っておらず、右眼の視力は0.8に保たれていた。この範囲の網膜が保たれた理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 大虹彩動脈輪から黄斑へ向かう枝が、詰まった部分を迂回して血液を届けたため。大虹彩動脈輪は虹彩と毛様体を養う血管の輪で、網膜の後極部へは枝を出しません。
- ⑵ 黄斑の網膜は、内頸動脈から直接分かれる別の枝で養われる構造になっているため。網膜の内層の動脈は眼動脈から出る網膜中心動脈と、その系統以外では毛様網膜動脈に限られます。
- ⑶ 脈絡膜側の短後毛様動脈から出る毛様網膜動脈が、その範囲を養っていたため。毛様網膜動脈は脈絡膜側の循環から出るため、網膜中心動脈が詰まってもその領域は血流が保たれます。
- ⑷ 網膜中心静脈の血液が逆向きに流れ、黄斑の方へ酸素を含む血液を届けていたため。静脈の血液が逆流して網膜を養うことはありません。網膜中心静脈は網膜の血液を眼外へ戻す血管です。
- ⑸ 渦静脈が黄斑の下に集まっており、そこから網膜の内層に酸素を渡したため。渦静脈は脈絡膜の血液を眼外へ出す静脈で、網膜の内層を養う働きはありません。
解説
最も適切なのは、毛様網膜動脈が乳頭と黄斑の間の網膜を養っていたためです。網膜の内層は網膜中心動脈で、外層は脈絡膜の血管で養われます。一部の人では、脈絡膜側の短後毛様動脈の系統から毛様網膜動脈が出て、乳頭の縁から黄斑へ向かう網膜を養っています。この場合、網膜中心動脈が詰まってもその範囲の血流は保たれ、中心の視力が残ることがあります。
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