76歳の男性。数年前から遠くが見えにくくなり、以前は必要だった老眼鏡なしで新聞が…
76歳の男性。数年前から遠くが見えにくくなり、以前は必要だった老眼鏡なしで新聞が読めるようになった。細隙灯顕微鏡では水晶体の中心部が黄褐色に濁って硬くなっている。年齢とともに水晶体の中心部が硬くなり濁りやすい理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 毛様体小帯が年齢とともに水晶体の中心へ移動し、核を周りから締めつけて固めるため。毛様体小帯は水晶体の赤道部に付いており、中心へ移動して核を締めつけることはありません。
- ⑵ 赤道部の上皮細胞が生涯にわたって新しい線維を作り、古い線維が中心へ押し込まれて残るため。水晶体の線維は捨てられずに重なり続けるので、中心の古い線維ほど密になり、硬く濁りやすくなります。
- ⑶ 角膜の内皮細胞が前房を越えて水晶体に移り、中心に層を重ねていくため。角膜内皮細胞が水晶体へ移ることはありません。水晶体の線維は水晶体自身の上皮細胞から作られます。
- ⑷ 硝子体の水分が水晶体の中心へ流れ込み続け、中心部がふくらんで濁るため。硝子体の水分が水晶体の中心へ流れ込み続ける仕組みはなく、加齢による核の硬化の説明になりません。
- ⑸ 水晶体の中心には細い血管が集まっており、年齢とともにその血管が硬くなって濁るため。水晶体には血管がなく、栄養は房水から受け取ります。血管の硬化で濁ることはありません。
解説
最も適切なのは、赤道部の上皮細胞が生涯にわたって新しい線維を作り、古い線維が中心へ押し込まれて残るためです。水晶体の線維は脱落せず、玉ねぎの皮のように外側へ重なり続けます。そのため中心の核には最も古い線維が密に詰まり、年齢とともに硬くなり、色が付いて濁りやすくなります。核の屈折率が上がると近視の方向へずれ、老眼鏡なしで近くが見えるようになることがあります。
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