68歳の右利きの男性。左の中大脳動脈の梗塞で入院した。話しかけられた内容はよく理…
68歳の右利きの男性。左の中大脳動脈の梗塞で入院した。話しかけられた内容はよく理解でき、指示どおりに手を動かせるが、自分で話そうとすると言葉が途切れ、たどたどしくなる。右の手足に軽い麻痺がある。障害されている部位として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 左の後頭葉で、鳥距溝の周囲にある第一次視覚野第一次視覚野の障害では右側の同名半盲が生じます。話し方の障害は起こしません。
- ⑵ 右の前頭葉で、中心前回にある手足の運動を受け持つ領域右の中心前回の障害では左の手足に麻痺が出ます。右利きの人で話す働きが乱れることも通常ありません。
- ⑶ 左の前頭葉で、下前頭回の後方にある、話す働きを受け持つ運動性の言語中枢言葉の理解は保たれ、話す働きが障害されているので、左前頭葉の運動性言語中枢の障害が考えられます。
- ⑷ 左の側頭葉で、上側頭回の後方にある感覚性の言語中枢感覚性言語中枢の障害では話す量は保たれますが、言われた内容を理解しにくくなります。
- ⑸ 小脳の正中にある虫部で、体幹の平衡を保つ領域小脳虫部の障害では体幹のふらつきが目立ちます。この例のような言語の障害の説明になりません。
解説
最も考えられるのは、左前頭葉の下前頭回後方にある運動性言語中枢です。右利きの人の多くは左の大脳半球に言語の働きがあり、その中で前頭葉の領域は言葉を組み立てて話す働きを、側頭葉の領域は聞いた言葉を理解する働きを受け持ちます。この患者は理解が保たれ、話し方だけがたどたどしいので、運動性失語と考えられます。右の手足の麻痺も左の中大脳動脈の領域の障害と合います。
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