両眼で鉛筆の先を見つめているとき、その少し手前に置いた別の鉛筆は二重にならず一本…
両眼で鉛筆の先を見つめているとき、その少し手前に置いた別の鉛筆は二重にならず一本に見え、しかも手前にあると感じられた。このように見える理由として正しいのはどれか。
- ⑴ 両眼の像が網膜の対応点にぴったり結ばれ、視差がまったくないまま奥行きが計算されるため。対応点にぴったり結ばれる物はホロプタ上にあり、視差がないため注視点より手前とは感じられません。
- ⑵ 左右の像が視野闘争によって交互に見え、その入れ替わりの速さから距離を判断しているため。視野闘争は大きく異なる像を両眼に見せたときに起こる現象で、奥行きの知覚の仕組みではありません。
- ⑶ 手前の物を見ると調節が強まり、その調節の量をもとに奥行きが感じられているため。注視しているのは奥の鉛筆なので調節は変わっていません。調節の量だけでは、このような立体感は説明できません。
- ⑷ ずれが Panum の融像感覚圏の内にあり、融像されつつ視差が奥行きを生むため。対応点からのずれが小さく融像感覚圏の内にあれば一つに見え、そのずれが両眼視差となって立体感を生みます。
- ⑸ 手前の鉛筆の像は片眼で抑制されて見えず、残った眼の像の大きさから距離を判断しているため。片眼の像の大きさだけでは両眼視による奥行きは生じません。この現象は両眼の像を融像して起こります。
解説
正しいのは、像のずれが Panum の融像感覚圏の内にあり、融像されながら両眼視差として奥行きが生じるためという説明です。ホロプタ上の物は網膜の対応点に像を結びますが、少し手前や奥の物でも、ずれが融像感覚圏の範囲内なら一つに見えます。このずれが両眼視差となり、立体視が生まれます。ずれがこの範囲を超えると生理的複視となり、二重に見えます。
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