64歳の男性。両眼とも瞳孔が小さく、形が少しいびつである。明るい光を当てても両眼…
64歳の男性。両眼とも瞳孔が小さく、形が少しいびつである。明るい光を当てても両眼の瞳孔はほとんど縮まないが、目の前の指標を見させると両眼ともすみやかに縮む。対光反射が失われても近見での縮瞳が保たれる理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 近見の指令は視蓋前域を通らずに腹側から動眼神経副核へ届き、障害を避けられるため。対光反射の線維は中脳背側の視蓋前域を通り、近見の線維はより腹側を通ります。背側の障害では近見の経路が残ります。
- ⑵ 近見での縮瞳は、交感神経の緊張が解けて瞳孔散大筋がゆるむことによって起こるため。近見での縮瞳は副交感神経による瞳孔括約筋の収縮で起こります。散大筋がゆるむだけで生じるものではありません。
- ⑶ 近見での縮瞳は、毛様体神経節を通らない別の神経が瞳孔括約筋へ直接つながって起こるため。近見の縮瞳の線維も、対光反射と同じく毛様体神経節で中継されて瞳孔括約筋へ届きます。
- ⑷ 近見での縮瞳は網膜からの情報を使わず、外眼筋が引き伸ばされる感覚から起こるため。近見反応は網膜像のぼけや視差を手がかりに大脳を経て起こります。外眼筋の伸びの感覚だけで生じるものではありません。
- ⑸ 近見での縮瞳は、角膜が近くの物の気配を感じ、三叉神経を通して反射が起こるため。三叉神経が角膜の刺激を伝えて起こるのは瞬目の反射です。近見での縮瞳の経路ではありません。
解説
最も適切なのは、近見の指令が視蓋前域を通らずに腹側から動眼神経副核へ届くためという説明です。対光反射の求心路は中脳背側の視蓋前域で中継されますが、近見反応の指令は大脳からより腹側の経路で動眼神経副核へ届きます。このため中脳背側の障害では、光への反応が失われても近見での縮瞳は保たれ、対光近見反応解離となります。近見の縮瞳も毛様体神経節を通る副交感神経が担います。
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