70歳の男性。脳梗塞で左の視床が障害された。意識ははっきりしており、手足の筋力も…
70歳の男性。脳梗塞で左の視床が障害された。意識ははっきりしており、手足の筋力も保たれている。この患者に最も現れやすい症状はどれか。
- ⑴ 嗅いだ匂いが分からなくなり、食べ物の風味も感じにくくなる。嗅覚は嗅球から嗅皮質へ伝わり、ほかの感覚と違って視床を経由せずに大脳へ届きます。
- ⑵ 右半身の皮膚に触れられても感じにくく、痛みの感じ方も鈍くなる。視床は体性感覚を大脳皮質へ中継する場所で、障害されると反対側の半身の感覚が鈍くなります。
- ⑶ 体温を一定に保てなくなり、空腹や満腹を感じる働きも乱れる。体温や摂食の調節は視床の下にある視床下部の働きです。
- ⑷ 眠っている間に呼吸のリズムが乱れ、ときに呼吸が止まりかける。呼吸のリズムを作る中枢は延髄にあります。
- ⑸ 左手で指鼻試験をすると、指先が目標を越えたり手前で止まったりする。目標を越えたり手前で止まったりする測定障害は、同じ側の小脳半球の障害でみられます。
解説
右半身の触覚や痛覚が鈍くなる症状が最も現れやすいです。視床は全身の体性感覚を大脳皮質へ中継する場所で、感覚の線維は途中で交叉しているため、左の視床が障害されると右半身の感覚が落ちます。体温や摂食の調節は視床下部、呼吸のリズムは延髄、測定障害は小脳の働きです。嗅覚は視床を経由せずに大脳へ届く点も押さえておきましょう。
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