53 歳の女性。上顎右側第一大臼歯の咬合時の違和感を主訴として来院した。2週前か…
53 歳の女性。上顎右側第一大臼歯の咬合時の違和感を主訴として来院した。2週前から硬い物を食べる時に痛みがあるという。自発痛と根尖部圧痛はない。歯の動揺度は0 度であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 3A、B、C)を別に示す。診断に必要な検査はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 透照診透照診は亀裂の存在の確認に有用ですが、亀裂が写真で確認できる前提では、深さや範囲の評価には不十分です。
- ⑵ 麻酔診麻酔診は疼痛の原因歯が特定できない場合に用いる検査で、原因歯が明らかな本症例では必要ありません。
- ⑶ 歯髄電気診自発痛がなく歯髄症状に乏しいため、本症例の診断の要点である亀裂の範囲評価には直接つながりません。
- ⑷ エックス線検査歯根破折の有無、根尖部や歯槽骨の状態を確認し、亀裂の範囲と予後を判断するのに必要です。
- ⑸ プロービング検査亀裂部に一致する深く狭い歯周ポケットの有無を調べ、亀裂が歯根まで及んでいるかを評価できます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。写真は提示されていませんが、硬い物を噛んだときの咬合痛と違和感があり、自発痛や根尖部圧痛がないことから、歯の亀裂(クラックトゥース)や破折が疑われます。口腔内写真で亀裂が確認できる前提では、診断と予後判定の要点は亀裂が歯根や歯周組織までどの程度及んでいるかです。そのため、亀裂部に限局した深く狭い歯周ポケットを調べるプロービング検査と、歯根破折や根尖部・歯槽骨の状態を確認するエックス線検査が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成