79 歳の男性。経口摂取を希望して脳神経内科からの紹介で来院した。半年前に脳幹梗…
79 歳の男性。経口摂取を希望して脳神経内科からの紹介で来院した。半年前に脳幹梗塞を発症し、現在は胃瘻で栄養管理されている。音声や構音障害は認めず嚥下時の喉頭挙上は良好であったが、嚥下後に激しいむせを認めた。口腔機能時の顔面写真(別冊No. 2A)、口腔機能時の口腔内写真(別冊No. 2B)及び唾液の嚥下を記録した嚥下内視鏡検査の画像(別冊No. 2C)を別に示す。むせの原因として考えられるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 舌運動不良音声や構音に障害がないため、舌運動不良は考えにくいです。
- ⑵ 咽頭収縮不良本例では咽頭収縮不良が主因とはされていません。
- ⑶ 鼻咽腔閉鎖不全構音障害がないことから、鼻咽腔閉鎖不全は考えにくいです。
- ⑷ 食道入口部開大不全延髄の障害で食道入口部が開かず、咽頭残留から誤嚥を生じます。
- ⑸ 嚥下運動パターンの異常嚥下中枢の障害で、嚥下の運動パターンが乱れます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。画像は見られないため本文から考えます。脳幹梗塞(延髄外側症候群など)では、構音や喉頭挙上が保たれていても、嚥下中枢の障害により食道入口部(輪状咽頭筋)の弛緩・開大が不十分になり、嚥下の一連の運動パターンも乱れます。その結果、咽頭に残留した唾液などが嚥下後に気道へ流入し、激しいむせを起こします。構音障害がないことから、舌運動不良や鼻咽腔閉鎖不全は考えにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成