76 歳の女性。口や鼻から飲み物が漏れることを主訴として脳神経内科からの紹介で来…
76 歳の女性。口や鼻から飲み物が漏れることを主訴として脳神経内科からの紹介で来院した。1 年前に脳梗塞の診断を受けている。現在普通食を20 分以内で全量摂取しており、咀嚼時の疲労感はなく、むせることはないが、飲水時に口や鼻から漏れることがあるという。口腔機能時の顔面写真(別冊No. 11A)、口腔機能時の口腔内写真(別冊No. 11B)及び液体の嚥下を記録した嚥下造影検査画像(別冊No. 11C)を別に示す。主訴に影響を与えていると考えられるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 咬筋咬筋は咀嚼筋で、咀嚼に疲労感がないことから主訴には関与しにくいです。
- ⑵ 口輪筋口唇閉鎖を担い、機能が低下すると飲み物が口から漏れます。
- ⑶ 口蓋帆挙筋軟口蓋を挙上して鼻咽腔を閉鎖し、機能低下で鼻への逆流が起こります。
- ⑷ オトガイ舌筋オトガイ舌筋は舌を前方に出す筋で、口や鼻からの漏れの主因ではありません。
- ⑸ 後輪状披裂筋後輪状披裂筋は声門を開く唯一の筋で、漏れには関与しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑶です。画像は見られないため本文から考えます。脳梗塞後で、咀嚼やむせには問題がない一方、飲水時に液体が口と鼻から漏れる点が主訴です。口からの漏れは口唇閉鎖を担う口輪筋の機能低下、鼻からの漏れは軟口蓋を挙上して鼻咽腔を閉鎖する口蓋帆挙筋の機能低下によると考えられます。咬筋は咀嚼、オトガイ舌筋は舌の前方突出、後輪状披裂筋は声門の開大に働く筋です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成