62 歳の男性。上顎右側臼歯部歯肉からの出血を主訴として来院した。2 か月前から…
62 歳の男性。上顎右側臼歯部歯肉からの出血を主訴として来院した。2 か月前からブラッシング時の出血を自覚していたが、自然に止血するためそのままにしていたところ、昨夜のブラッシング後からの出血が止まらないという。3 年前から降圧薬を服用し、3 か月前から全身倦怠感を自覚している。体温37.5℃、脈拍100/分、血圧130/88mmHg であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 23)を別に示す。血液検査の結果を表に示す。白血球数 :1,400/μL白血球分画好中球 :24%単球 :2 %リンパ球 :72%赤血球数 :245 万/μL網赤血球 :0.4%(基準値0.5~2.0%)ヘモグロビン :9.8 g/dLヘマトクリット :22.1%血小板数 :7.7 万/μLMCV :92 fL(基準値80~100 fL)MCH :29 pg(基準値27~31 pg)MCHC :32%(基準値30~35%)AST :42 U/LALT :40 U/LPT :11 秒(基準値10~12 秒)APTT :34.4 秒(基準値24~39 秒)血漿フィブリノゲン:288 mg/dL(基準値200~400 mg/dL)CRP :1.08 mg/dL血清FDP :4 μg/mL(基準値15 μg/mL 未満)D ダイマー :0.8 μg/mL(基準値1.0 μg/mL 未満)血清鉄 :120 μg/dL(基準値70~160 μg/dL)ビタミンB12 :320 pg/mL(基準値180~914 pg/mL)考えられるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 再生不良性貧血汎血球減少と網赤血球の低下があり、骨髄の造血不全を示すため最も考えられます。
- ⑵ von Willebrand 病von Willebrand病ではAPTT延長などの凝固異常がみられ、汎血球減少は示しません。
- ⑶ 血小板減少性紫斑病血小板減少性紫斑病では血小板のみが減少し、白血球や赤血球は保たれます。
- ⑷ 発熱性好中球減少症発熱性好中球減少症は化学療法などに伴う病態名で、基礎疾患の説明にはなりません。
- ⑸ 播種性血管内凝固症候群DICではFDPやDダイマーの上昇、フィブリノゲン低下がみられますが、本例は正常です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。血液検査では白血球、赤血球、血小板がすべて減少した汎血球減少を示し、網赤血球の減少から骨髄での造血が低下していると考えられます。MCVは正常で、血清鉄やビタミンB12も正常なので鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血は否定的です。PT、APTT、FDP、Dダイマーが正常で凝固異常やDICはなく、汎血球減少と造血低下から再生不良性貧血が最も考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-02.html)を加工して作成