78 歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として施設から歯科訪問診療の依頼があ…
78 歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として施設から歯科訪問診療の依頼があった。2 か月前に脳梗塞の診断を受けたが、現在も普通食を自力摂取しており、液体にはとろみをつけていないがむせは認められないという。誤嚥性肺炎の既往はない。口腔衛生指導後に行った口腔機能検査の結果、口腔機能低下症には該当しなかったが、オーラルディアドコキネシスで「パ」音のみ5 回(基準値6 回)であった。初診時の安静時顔面写真(別冊No. 4A)と口腔内写真(別冊No. 4B)を別に示す。主訴の改善のために次に行うのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 味覚検査味覚検査は味覚障害の評価で、食事に時間がかかる原因の把握には優先されません。
- ⑵ 嚥下造影検査嚥下造影検査は誤嚥が疑われる場合の精密検査で、むせのない本症例では優先度が低いです。
- ⑶ 嚥下内視鏡検査嚥下内視鏡検査も誤嚥などが疑われる場合の精密検査で、まず行うものではありません。
- ⑷ ミールラウンド実際の食事場面を観察するミールラウンドで、時間がかかる原因を把握します。
- ⑸ 改訂水飲みテスト改訂水飲みテストは誤嚥のスクリーニングで、むせのない本症例の主訴の改善には直結しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。写真は確認できませんが、脳梗塞後で食事に時間がかかるものの、むせや誤嚥性肺炎の既往はなく、口腔機能低下症にも該当しないことから、まず実際の食事場面を観察して原因を探ることが重要です。ミールラウンドは、多職種で食事中の姿勢、食具の使い方、一口量、ペース、口唇閉鎖や咀嚼の様子などを観察し、食事環境や介助方法の改善につなげる取り組みです。「パ」音の低下から口唇の運動障害も推測されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成