52 歳の男性。上顎左側中切歯の充塡物辺縁の不適合を主訴として来院した。8年前に…
52 歳の男性。上顎左側中切歯の充塡物辺縁の不適合を主訴として来院した。8年前に処置を受け、症状なく経過していたが、2 か月前からデンタルフロスでの清掃時に抵抗感を自覚するようになったという。検査の結果、コンポジットレジン修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 35A)、エックス線画像(別冊No. 35B)及び操作過程の一部の写真(別冊No. 35C)を別に示す。①~③の操作の目的はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 研磨性の向上研磨性はレジンの種類や研磨操作で決まり、積層充填の主な目的ではありません。
- ⑵ C-value の軽減C-valueは窩洞形態で決まる値で、積層充填の目的は応力の緩和と説明されます。
- ⑶ 気泡の混入防止気泡の混入防止は填塞方法の工夫で対応し、この操作の主な目的ではありません。
- ⑷ 色調適合性の向上色調の異なるレジンを積層し、天然歯に近い色調を再現します。
- ⑸ 重合収縮応力の緩和少量ずつ重合することで、重合収縮応力を緩和します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。写真は確認できませんが、①〜③はコンポジットレジンを色調や透明度の異なるペーストで少量ずつ積層充填する操作(積層充填法)と考えられます。象牙質色とエナメル質色のレジンを層状に重ねることで天然歯の色調や透明感を再現し、色調適合性を向上させます。また少量ずつ重合することで、一度に重合する量が減り、重合収縮応力を緩和して辺縁の間隙や歯の亀裂を防げます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成