81 歳の女性。オトガイ部の腫脹を主訴として来院した。5 年前から乳癌の治療を受…
81 歳の女性。オトガイ部の腫脹を主訴として来院した。5 年前から乳癌の治療を受けており、ある薬剤が長期投与されているという。初診時のエックス線画像(別冊No. 7A)、CT(別冊No. 7B)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 7C)を別に示す。病変の誘因と考えられるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ デノスマブデノスマブは抗RANKL抗体の骨吸収抑制薬で、薬剤関連顎骨壊死の誘因となります。
- ⑵ シスプラチンシスプラチンは白金製剤の抗癌薬で、腎障害などが問題となり顎骨壊死の主な誘因ではありません。
- ⑶ パクリタキセルパクリタキセルは微小管阻害薬で、末梢神経障害などが問題となります。
- ⑷ フルオロウラシルフルオロウラシルは代謝拮抗薬で、口内炎などを生じますが顎骨壊死の主な誘因ではありません。
- ⑸ アレンドロン酸ナトリウム水和物アレンドロン酸はビスホスホネート製剤で、薬剤関連顎骨壊死の誘因となります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。画像や組織像は確認できませんが、乳癌治療中で長期投与されている薬剤と顎骨病変から、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)が考えられます。乳癌の骨転移や骨粗鬆症の治療に用いられる骨吸収抑制薬のデノスマブ(抗RANKL抗体)とビスホスホネート製剤のアレンドロン酸が誘因となります。破骨細胞の機能が抑えられて骨のリモデリングが低下し、感染などを契機に顎骨壊死を生じます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成