87歳の女性。介護施設に入所している。認知症があり、自分で歯をみがくことは難しく…
87歳の女性。介護施設に入所している。認知症があり、自分で歯をみがくことは難しく、長く口を開けていることもできない。上下の多数の歯の根面に、軟らかい初期の齲蝕が広がっている。痛みはない。この患者の根面齲蝕への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 清掃の代わりに、砂糖を含む飴をなめさせて唾液を増やす。糖を含む飴は齲蝕を進めるため、勧めません。
- ⑵ 全身麻酔下で、根面齲蝕を一度に削って金属で修復する。全身への負担が大きく、根面の初期の齲蝕に対しては過剰な治療です。
- ⑶ 協力が得られないため、口腔の清掃も処置も行わずに記録を残す。放置すると齲蝕が進んで痛みや感染の原因になります。
- ⑷ 介護職員の毎日の清掃を支援し、高濃度のフッ化物で進行を抑える。短時間で行えるフッ化物の応用と日々の清掃で、根面齲蝕の進行を抑えます。
- ⑸ 根面齲蝕のある歯を抜歯し、全部床義歯を作製する。義歯の使用も難しくなりやすく、保存できる歯を抜く理由はありません。
解説
最も適切なのは、介護職員による毎日の清掃を支援し、高い濃度のフッ化物を応用して進行を抑えることです。要介護の高齢者では、歯肉の退縮、唾液の減少、清掃の不足が重なって根面齲蝕が多発します。長い処置が難しい場合は、削って修復するよりも、短時間でできるフッ化物の応用と、介護者による清掃の支援で進行を抑えることを優先します。本人の状態に合わせて無理のない管理を続けます。
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