20歳の女性。上顎の前歯を後方へ移動させる固定源として、上顎右側の第二小臼歯と第…
20歳の女性。上顎の前歯を後方へ移動させる固定源として、上顎右側の第二小臼歯と第一大臼歯の間の歯槽骨に歯科矯正用アンカースクリューを植立した。3週間後、スクリューが動揺してきた。エックス線写真では、スクリューの先端が第一大臼歯の近心根に接している。スクリューが動揺した原因として最も適切なのはどれか。
- ⑴ スクリューの材料のチタンが、口腔内で短い期間に溶けて細くなった。チタンは腐食しにくく、数週間で溶けて細くなることはありません。
- ⑵ スクリューに矯正力をかけたために、スクリューが骨と強く結合した。骨と強く結合すれば動揺は起こらず、原因の説明になりません。
- ⑶ スクリューを植立した骨が成長して、スクリューを押し出した。成人の歯槽骨が成長してスクリューを押し出すことはありません。
- ⑷ スクリューの頭部をプラークが覆ったことで、骨がスクリューに置きかわった。骨がスクリューに置きかわることはなく、原因の説明になりません。
- ⑸ 歯根に接したスクリューが歯の動きで揺さぶられ、骨との固定を失った。歯根に接したスクリューは、かむたびの歯の動きで揺さぶられて脱落しやすくなります。
解説
最も適切なのは、スクリューが隣の歯の歯根に接しており、歯の動きで揺さぶられて骨との固定が失われたことです。歯科矯正用アンカースクリューは、骨との機械的な嵌合で保持されます。歯根に接していると、かむたびに歯がわずかに動くことでスクリューが揺さぶられ、周りの骨が吸収されて動揺や脱落が起こります。植立の前に歯根の間の距離を画像で確かめ、植立の位置と方向を決めることが大切です。
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