11歳の男児。上顎右側中切歯がなかなか萌出しない。2歳のときに転倒し、上顎右側乳…
11歳の男児。上顎右側中切歯がなかなか萌出しない。2歳のときに転倒し、上顎右側乳中切歯が歯槽骨の中に深く押し込まれたことがある。エックス線検査では、上顎右側中切歯の歯冠と歯根の境のあたりで、歯根が後方へ大きく曲がっていた。この歯の形の異常が生じた理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯の数を減らす遺伝子の異常によって、隣の歯と一つにつながったため2つの歯が一つになる癒合歯とは異なり、この歯は1本の歯根が曲がっています。
- ⑵ 歯の萌出の後に、根尖の歯周組織の炎症で歯根が溶けたため炎症による歯根の吸収では歯根が短くなり、向きが変わることはありません。
- ⑶ エナメル質が歯の内部へ深く入り込み、歯根の向きを変えたためエナメル質の陥入は歯冠の舌側のくぼみとして現れ、歯根の湾曲とは異なります。
- ⑷ 形成途中の歯胚が外力で傾き、その後の歯根が別の向きに作られたため外傷で歯胚の位置や向きが変わると、そのあと作られる歯根が曲がった形になります。
- ⑸ 萌出したあとにかむ力が加わり続けて、歯根が後方へ曲げられたため萌出していない歯には咬合の力は加わらず、硬い歯根が曲げられることもありません。
解説
最も適切なのは、形成の途中の歯胚に先行乳歯から外力が及び、それ以後に作られた部分の向きが変わったためという理由です。乳前歯の根尖のすぐ近くには後継永久歯の歯胚があり、乳歯が深く押し込まれると歯胚が押されて位置や向きが変わります。その時点ですでにできていた歯冠と、あとから作られる歯根の向きがずれ、歯根の湾曲した歯(彎曲歯)になります。萌出の遅れの原因になり、開窓や牽引が必要になることがあります。
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