62歳の女性。下顎の前歯部にインプラント体を埋入している最中に、ドリルが下顎骨の…
62歳の女性。下顎の前歯部にインプラント体を埋入している最中に、ドリルが下顎骨の舌側の皮質骨を突き抜けた。その直後から口底が急速に腫れて舌が持ち上がり、息苦しさを訴えた。損傷した可能性が最も高い動脈はどれか。
- ⑴ 耳珠の前方を上へ向かって走る浅側頭動脈浅側頭動脈は側頭部に分布し、口底とは離れています。
- ⑵ 上顎結節の後方から上顎骨に入る後上歯槽動脈後上歯槽動脈は上顎の臼歯部に分布し、下顎の前歯部の口底には分布しません。
- ⑶ 舌動脈の枝で、口底の粘膜の下を走る舌下動脈舌下動脈は下顎前歯部の舌側の口底を走り、損傷すると口底に血腫を作ります。
- ⑷ 眼窩下孔から出て頬部に分布する眼窩下動脈眼窩下動脈は上顎の前方の顔面に分布し、口底を走りません。
- ⑸ 大口蓋孔から口蓋に出て前方へ走る大口蓋動脈大口蓋動脈は硬口蓋の粘膜に分布し、口底を走りません。
解説
損傷した可能性が最も高いのは、舌動脈の枝で口底の粘膜の下を走る舌下動脈です。下顎の前歯部の舌側には、舌下動脈やオトガイ下動脈の枝が骨に近い位置を走っています。ドリルが舌側の皮質骨を突き抜けてこれらを傷つけると、口底に血腫ができて舌が押し上げられ、気道がふさがれるおそれがあります。気道の確保を最優先し、ただちに高次の医療機関と連携して止血を行います。
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