82歳の女性。脳梗塞の後遺症で口から食べることができず、胃瘻から栄養をとっている…
82歳の女性。脳梗塞の後遺症で口から食べることができず、胃瘻から栄養をとっている。自宅で家族が介護している。歯科訪問診療で、家族から「口から何も食べていないので、歯みがきはしなくてもよいのでは」と尋ねられた。家族への説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 胃瘻から栄養をとっている間は、唾液が多く出て口の中が自然にきれいに保たれます。口から食べないと唾液の分泌は減り、口の中の自浄作用はかえって弱まります。
- ⑵ 口から食べていなくても口の中で細菌は増えるので、毎日の口腔清掃が必要です。経口摂取がなくても歯垢や舌苔がたまり、誤嚥性肺炎の原因になります。
- ⑶ 口の中の細菌を減らすため、残っている歯を抜いておく必要があります。歯を抜かなくても、清掃を続ければ細菌を減らせます。
- ⑷ 胃瘻から栄養をとっていれば、誤嚥性肺炎が起こる心配はありません。唾液や胃からの逆流物を誤嚥することがあり、誤嚥性肺炎は起こりえます。
- ⑸ 口の中が乾くのを防ぐため、保湿剤は使わずに水を口に多く含ませます。水を多く含ませると誤嚥の危険があり、保湿剤を薄く塗るほうが安全です。
解説
最も適切なのは、口から食べていなくても口の中では細菌が増えるため、口腔清掃を毎日続ける必要があると伝えることです。経口摂取がないと、かむ刺激がなくなって唾液が減り、自浄作用が弱まるため、歯垢や舌苔がかえってたまりやすくなります。胃瘻の人でも、細菌を含む唾液や逆流した胃の内容物を誤嚥して肺炎を起こすことがあります。保湿剤を使って乾燥を防ぎながら清掃を続けます。
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