ある研究者が、30か国について、国民1人あたりの年間の砂糖の消費量と、12歳児の…
ある研究者が、30か国について、国民1人あたりの年間の砂糖の消費量と、12歳児の1人平均の齲蝕経験歯数を集め、国ごとの値の関係を調べた。消費量の多い国ほど齲蝕経験歯数が多かった。この研究の解釈として正しいのはどれか。
- ⑴ 齲蝕のある子どもとない子どもを集めて過去の摂取を比べた症例対照研究であり、オッズ比が求められる。個人を症例と対照に分けた研究ではありません。
- ⑵ 国を無作為に2群に分けて砂糖の消費量を変えた介入研究であり、因果関係を最も強く示している。研究者が消費量を変えたわけではなく、観察研究です。
- ⑶ 同じ子どもを追跡して砂糖の摂取と齲蝕の発生を調べたコホート研究であり、時間の前後関係が示されている。国ごとの値を比べた研究で、個人を追跡していません。
- ⑷ 集団ごとの平均値を比べた研究であり、個人が砂糖を多くとると齲蝕が増えるとはこの結果からは結論できない。生態学的研究では、集団の関係を個人に当てはめると誤る場合があります。
- ⑸ 個人ごとに砂糖の摂取量と齲蝕を同じ時点で調べた横断研究であり、個人の関連を直接示している。個人のデータではなく、国ごとにまとめた値を使っています。
解説
正しいのは、集団の平均値を比べた研究で、個人の関係はこの結果から結論できないことです。国や地域などの集団を単位にして、要因と病気の頻度の関係を調べる方法を生態学的研究といいます。手に入りやすいデータで仮説を立てるのに役立ちますが、集団で見られた関係が個人にも当てはまるとは限らず、これを生態学的錯誤と呼びます。因果の確認には個人を単位にした研究が必要です。
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