死体の検案に立ち会った歯科医師が、口唇の内側の粘膜と、まぶたの裏の結膜に、針で突…
死体の検案に立ち会った歯科医師が、口唇の内側の粘膜と、まぶたの裏の結膜に、針で突いたような小さな点状の出血が多数あることに気づいた。この所見の解釈として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 寒い場所に長くいて体温が下がり、粘膜の細い血管が収縮して生じた変化である。血管の収縮では出血は起こらず、低体温を示す所見ではありません。
- ⑵ 死後に筋が硬くなる変化に伴い、顎の筋が縮んで粘膜が圧迫された跡である。死後硬直は筋の硬さの変化で、点状の出血は生じません。
- ⑶ 首が圧迫されるなどの窒息の際に、頭部の静脈圧が高まって生じやすい溢血点である。頸部の圧迫などで顔面の静脈がうっ血すると、溢血点が生じやすくなります。
- ⑷ 一酸化炭素を吸い込んで血液が鮮やかな紅色になり、粘膜の色が変わって見えたものである。一酸化炭素中毒では全体が鮮紅色になり、点状の出血にはなりません。
- ⑸ 死亡後に血液が重力で体の低い部分にたまり、皮膚の外から見えるようになった死斑である。死斑は体の下側に広くできる変色で、点状の出血ではありません。
解説
最も適切なのは、首が圧迫されるなどの窒息の際に生じやすい溢血点であることです。頸部が圧迫されると、頭部から心臓へ戻る静脈の流れが妨げられ、顔面の細い血管の圧が高まって破れ、まぶたの結膜や口腔粘膜に点状の出血が生じます。窒息に特有ではありませんが、死因を考える重要な手がかりです。死斑は体の低い部分に広く現れる変色で、点状の出血とは違います。
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