大規模な災害で多数の身元不明の遺体が収容され、歯科医師が身元確認の作業に加わった…
大規模な災害で多数の身元不明の遺体が収容され、歯科医師が身元確認の作業に加わった。歯科所見による身元確認の進め方として適切なのはどれか。
- ⑴ 生前の歯科診療録やエックス線写真の記録と、遺体の歯科所見を部位ごとに照合する。歯の治療痕や形態は個人差が大きく、生前の記録との照合が身元確認の基本となります。
- ⑵ 成人の年齢を推定するときは、乳歯が萌出する時期の表を基準にして判断する。乳歯の萌出時期は乳幼児の年齢推定に用いるもので、成人には当てはまりません。
- ⑶ 歯の髄腔からは遺伝子の抽出ができないため、骨の試料を優先して採取する。歯の内部は外界から守られており、歯髄からDNAを抽出できることがあります。
- ⑷ 遺体の所見が生前の記録と食い違う部分は、記録の様式に合わせて推測で補う。所見は観察したとおりに記録し、推測で補うと誤った照合につながります。
- ⑸ 修復物は金属か非金属かを区別せず、治療済みの歯の本数を数えて記録する。修復物の材料・部位・歯面まで記録することで、照合の精度が上がります。
解説
生前の歯科診療録やエックス線写真と、遺体の歯科所見を照合する進め方が適切です。歯や修復物は死後も変化しにくく、治療痕の部位や材料、歯の形態には個人差が大きいため、生前の記録と照らし合わせることで身元を確認できます。所見は観察したとおりに細かく記録し、推測で補うことはしません。歯髄からDNAを抽出できることもあります。年齢推定では、乳幼児には歯の萌出時期を、成人には歯の摩耗などの加齢変化を手がかりにします。
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