30歳の女性。上顎右側中切歯の歯冠修復のため、浸潤麻酔を行う。歯科医師は、血管収…
30歳の女性。上顎右側中切歯の歯冠修復のため、浸潤麻酔を行う。歯科医師は、血管収縮薬を添加した局所麻酔薬の製剤を選んだ。血管収縮薬を添加する主な目的として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 注射液を中和して刺したときのしみる感じを和らげ、痛みを減らす。注射時の痛みを和らげることは、血管収縮薬を加える目的ではありません。
- ⑵ 神経の細胞膜に直接はたらき、ナトリウムの通り道を塞いで痛みを遮る。ナトリウムの通り道を塞ぐのは、局所麻酔薬そのものの作用です。
- ⑶ 肝臓での麻酔薬の分解を速め、血液中の濃度が上がるのを防ぐ。血管収縮薬は肝臓での分解には作用せず、局所からの吸収を遅らせます。
- ⑷ 注射した部位の血管を収縮させ、麻酔薬が血液中へ移るのを遅らせる。局所にとどまる時間が延び、効果が長く続き中毒も起こりにくくなります。
- ⑸ 注射した部位の血管を拡げ、麻酔薬を周りの組織へ素早く広げる。血管収縮薬は血管を拡げず、収縮させて麻酔薬を局所にとどめます。
解説
最も適切なのは、注射した部位の血管を収縮させ、麻酔薬が血液中へ移るのを遅らせることです。局所麻酔薬に血管収縮薬を加えると、麻酔薬が局所に長くとどまるため、効果が強く長く続きます。血液中の濃度がゆっくり上がるので中毒も起こりにくく、術野の出血も減ります。一方で、血管収縮薬は心拍数や血圧に影響するため、循環器の病気のある患者では量に注意します。
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