30歳の女性。下顎右側第一大臼歯の浸潤麻酔を行った直後に、顔面が蒼白になり、冷や…
30歳の女性。下顎右側第一大臼歯の浸潤麻酔を行った直後に、顔面が蒼白になり、冷や汗をかいて気分の悪さを訴えた。脈拍は遅く、血圧は低下している。意識はあり、皮膚の発疹や喘鳴はない。対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
- ⑴ 紙袋を口に当てて、吐いた息を繰り返し吸わせる。紙袋の再呼吸は過換気症候群に対して行われた方法で、この状態には合いません。
- ⑵ アドレナリンを大腿部の筋肉内に注射する。アドレナリンの筋注はアナフィラキシーへの対応で、発疹や喘鳴のないこの例には当たりません。
- ⑶ 治療をただちに中断する。全身状態の変化が起きたら、まず処置を止めて患者の観察に移ります。
- ⑷ 頭を低くし、下肢を挙上した水平位にする。脳への血流を保ち、血管迷走神経反射による低血圧を改善します。
- ⑸ 酸素を投与しながら、血圧と脈拍を繰り返し測る。酸素投与で低酸素を防ぎ、バイタルサインの推移で回復を確認します。
解説
治療の中断、下肢を挙上した水平位、酸素投与とバイタルサインの監視の3つが適切です。痛みや不安をきっかけに顔面蒼白、冷や汗、徐脈、血圧低下が起きる状態は血管迷走神経反射の典型で、局所麻酔時に起こりやすい偶発症です。多くは水平位で安静にすると回復しますが、徐脈が続けばアトロピンを用いることもあります。発疹や喘鳴がないためアナフィラキシーとは異なり、過換気症候群への対応も当たりません。
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