62歳の女性。重度の慢性歯周炎で、下顎右側第一大臼歯の歯槽骨は根の長さの半分以上…
62歳の女性。重度の慢性歯周炎で、下顎右側第一大臼歯の歯槽骨は根の長さの半分以上が失われている。咬合は正常で、歯ぎしりはない。この歯は普段の食事でかむたびに動揺が増し、エックス線画像で歯根膜腔の拡大がみられる。この状態の説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯髄の壊死による根尖性歯周炎で、歯根膜腔の拡大は根尖に限られている。歯周炎による支持組織の喪失と咬合の力が関わる所見で、根尖性歯周炎とは異なります。
- ⑵ 健全な歯周組織に歯ぎしりなどの強すぎる咬合の力がかかって起こる、一次性の咬合性外傷である。この歯は歯周炎で支持組織が大きく失われており、咬合の力も通常の大きさです。
- ⑶ 咬合の力が歯周ポケットの細菌を増やし、歯周炎そのものを起こしている状態である。咬合の力が歯周炎の原因菌を増やすわけではありません。
- ⑷ 支える組織が減った歯に通常の咬合の力がかかって起こる、二次性の咬合性外傷である。歯周炎で支持組織が減ると、通常の咬合の力でも外傷になります。
- ⑸ 歯根が骨と癒着して動かなくなる前の状態で、動揺は自然に止まる。歯根膜腔の拡大と動揺の増加は、骨との癒着とは逆の所見です。
解説
最も適切なのは、支える組織が減った歯に通常の咬合の力がかかって起こる二次性の咬合性外傷です。咬合性外傷は、健全な歯周組織に過大な力がかかる一次性と、歯周炎などで支持組織が減った歯に通常の力がかかる二次性に分けられます。二次性では、歯周炎の治療で炎症を抑えるとともに、咬合の調整や固定で歯にかかる力を分散させます。炎症と外傷が重なると、歯周組織の破壊が速く進みます。
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