9歳の男児。5歳のときにオトガイ部を強く打ち、その後から次第に口が開かなくなった…
9歳の男児。5歳のときにオトガイ部を強く打ち、その後から次第に口が開かなくなった。現在、上下の切歯の間で1cmしか開口できず、横から見ると下顎が後退して小さい。エックス線検査では、両側の下顎頭と側頭骨の間に骨性の癒着がみられる。この患者への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 成長が終わるまで処置は控え、20歳を過ぎてから顎の形を整える手術を行う。放置すると下顎の成長の障害が進み、食事や呼吸にも影響するため早めに治療します。
- ⑵ 咀嚼筋の一時的なこわばりと考え、鎮痛薬を処方して自然に開くのを待つ。骨の癒着は自然には治らず、薬で開口が回復することもありません。
- ⑶ 顎関節の雑音と痛みを伴う関節円板の前方転位と考え、夜間に上顎にスプリントを装着させる。骨性の癒着による開口障害で、スプリントでは癒着は解消しません。
- ⑷ 癒着した骨を外科的に切除して関節の動きを取り戻し、手術後早期から開口の訓練を行う。骨性の顎関節強直症では、癒着部を切除して動きを回復し、再癒着を防ぐ訓練を続けます。
- ⑸ 開口器で毎日力いっぱい口をこじ開け、癒着した骨を少しずつ引き離していく。骨性の癒着は開口器の力で引き離せず、歯や顎を傷つけるおそれがあります。
解説
最も適切なのは、癒着した骨を外科的に切除して関節の動きを取り戻し、手術後早期から開口の訓練を行うことです。小児期の下顎頭の外傷の後に、関節の部分で骨どうしが癒着すると、顎関節強直症となり開口ができなくなります。下顎頭は下顎の成長の中心の一つであるため、下顎の成長が妨げられて小さく後退した顔貌になります。手術後は再び癒着しないよう開口の訓練を続け、成長に合わせて顎の形も評価します。
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