64歳の男性。頭頸部の放射線治療の後から、飲み込んだ後にのどに食べ物が残る感じが…
64歳の男性。頭頸部の放射線治療の後から、飲み込んだ後にのどに食べ物が残る感じがある。嚥下内視鏡検査では、嚥下のときに喉頭が十分に持ち上がらず、食べ物がのどの奥の左右のくぼみにたまっていた。喉頭の挙上が不十分なときに起こりやすいこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 舌が食べ物を後方へ送れなくなり、食べ物が口の中にとどまる。食べ物が口に残るのは舌の送り込みの障害で、喉頭の挙上の不足とは別です。
- ⑵ 口唇が閉じられなくなり、飲み込むときに食べ物が口からこぼれる。口からこぼれるのは口唇の閉鎖の障害で、喉頭の挙上とは関わりが薄い症状です。
- ⑶ 食道と胃の境目がゆるみ、胃の内容物がのどまで逆流する。胃から食道への逆流は下部食道の括約の働きの問題で、喉頭の挙上とは別です。
- ⑷ 食道の入口が十分に開かず、食塊が通りきれずに咽頭に残る。喉頭と舌骨が前上方へ動くことで食道の入口が開くため、挙上が弱いと食塊が残ります。
- ⑸ 軟口蓋が持ち上がらなくなり、飲み込んだ水が鼻へ逆流する。鼻への逆流は軟口蓋の挙上の不足によるもので、喉頭の挙上とは別の働きです。
解説
最も適切なのは、食道の入口が十分に開かず、食塊が咽頭に残ることです。嚥下の咽頭期には、舌骨と喉頭が前上方へ大きく持ち上がり、喉頭蓋が気道をふさぐとともに、食道の入口が引き開けられます。喉頭の挙上が不十分だと、食道の入口が開ききらず、梨状陥凹などに食塊がたまります。残った食塊は嚥下の後に気道へ流れ込むことがあり、誤嚥の原因になります。
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