川で発見された遺体の検案に、歯科医師が立ち会った。前歯から臼歯にかけて、歯冠の歯…
川で発見された遺体の検案に、歯科医師が立ち会った。前歯から臼歯にかけて、歯冠の歯頸部寄りが淡い紅色に染まっていた。この所見の解釈として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 歯髄の血液に含まれる色素が象牙細管にしみ込んだ死後の変化で、死因を特定する所見にはならない。淡紅色の歯は溺死などでみられますが、死後の変化であり、それ自体で死因は決まりません。
- ⑵ 一酸化炭素を吸い込んで死亡したことを確定させる所見であり、検案書の死因は一酸化炭素中毒とする。一酸化炭素中毒では死斑が鮮紅色になりますが、歯の紅色化で死因を確定することはできません。
- ⑶ 飲料水のフッ化物を過剰にとったことによる斑状歯で、出身地の推定に用いる。斑状歯は白濁や褐色の斑点として現れ、淡い紅色に染まるものではありません。
- ⑷ 歯の形成期に抗菌薬を服用したことによる着色で、生前から続いていた色調である。形成期の抗菌薬による着色は灰色や黄褐色の帯状で、紅色の着色とは異なります。
- ⑸ 生前に受けた歯の漂白の跡であり、歯科の診療記録と照合して身元の確認に用いる。漂白は歯を白くする処置で、歯が紅色に染まる原因にはなりません。
解説
最も適切なのは、歯髄の血液の色素が象牙細管にしみ込んだ死後の変化で、死因を特定する所見にはならないと解釈することです。この淡紅色の歯は、溺死や頭部が低い位置にあった遺体などで、歯髄の血液がうっ滞して分解し、色素が象牙質にしみ込むことで生じます。さまざまな死因でみられるため、死因を決める根拠にはなりません。歯科所見は、身元確認や年齢推定に役立てます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。