8歳の女児。混合歯列期。上顎の歯列弓の幅が狭く、萌出してきた上顎の側切歯が萌出の…
8歳の女児。混合歯列期。上顎の歯列弓の幅が狭く、萌出してきた上顎の側切歯が萌出の余地の不足のために口蓋側へ転位しかけている。臼歯部の交叉咬合はない。拡大ねじを組み込んだ可撤式の床装置を上顎に装着して、歯列弓を側方へ広げることにした。この装置について正しいのはどれか。3つ選べ。
- ⑴ 保護者が週に1回程度、決められた量だけねじを回して少しずつ広げる。ねじをゆっくり回して、弱い力で歯列を徐々に拡大します。
- ⑵ 歯は主に頬側へ傾くように動き、歯列弓の幅が広がる。緩徐な拡大では、骨格の変化より歯の傾斜移動による拡大が中心になります。
- ⑶ 使用時間が短いと効果が出にくいため、装着の時間を確認する。可撤式は患者の協力に効果が左右されるため、使用状況の確認が欠かせません。
- ⑷ 数週間で正中口蓋縫合を大きく離開させ、上顎骨そのものを広げる。縫合の離開を短期間で起こすのは、歯に固定した急速拡大装置の働きです。
- ⑸ 歯根を含めて歯を平行に動かし、歯の傾きを細かく整える。床装置では歯を平行に動かす歯体移動は難しく、細かな調整にはマルチブラケット装置を用います。
解説
保護者がねじを少しずつ回すこと、歯が頬側へ傾いて歯列弓が広がること、装着時間を確認することの3つが正しいです。拡大ねじを組み込んだ床装置は、混合歯列期に歯列弓の幅を広げて萌出の余地を得るために使われます。弱い力で緩徐に拡大するため、歯の傾斜移動が主体になります。取り外しができる反面、使用時間が短いと効果が得られません。上顎骨を短期間で広げる急速拡大や、歯の平行移動には別の装置が必要です。
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