8歳の女児。前歯が咬み合わないことを主訴に来院した。咬頭嵌合位で上下の前歯の間に…
8歳の女児。前歯が咬み合わないことを主訴に来院した。咬頭嵌合位で上下の前歯の間に3mmの垂直的なすき間がある。指しゃぶりの習慣は以前からない。安静時には口唇が開いていることが多い。この開咬の原因を探るために、診察で確かめる事項として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 上顎中切歯の間のすき間に、上唇小帯が入り込んでいるかを確かめる。上唇小帯の付着の確認は正中離開の原因を探るための診察です。
- ⑵ 開口したときに、下顎の正中が左右どちらへずれていくかを確かめる。開口時の下顎の偏位は顎関節の診察項目で、前歯部の開咬の原因を探る目的には合いません。
- ⑶ 下顎を後方へ誘導したときに、上下の前歯が切端で接触できるかを確かめる。これは前歯部反対咬合が機能的なものかを見分ける診察で、開咬の原因探しには向きません。
- ⑷ 唾液を飲み込むとき、舌の先が上下の前歯の間から出るかを観察する。嚥下時の舌の突出は、前歯部の開咬を生じさせ維持させる代表的な習癖です。
- ⑸ 安静時の口唇の閉じ方と、鼻ではなく口で呼吸していないかを確かめる。口呼吸では舌が低い位置をとりやすく、開咬の原因や悪化の要因になります。
解説
嚥下時に舌の先が前歯の間から出るかを観察すること、安静時の口唇の閉じ方と口呼吸の有無を確かめることの2つが適切です。指しゃぶりのない前歯部開咬では、舌突出癖や口呼吸、低い舌位などの機能的な要因を疑います。これらの習癖が残っていると、装置で歯を動かしても開咬が後戻りしやすいため、診察で見つけて筋機能療法などで改善を図ります。下顎の後方誘導や開口路の観察、上唇小帯の確認は、別の不正咬合を診るための項目です。
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