12歳の男子。齲蝕のない下顎右側第二小臼歯の頬側歯肉に瘻孔があり来院した。エック…
12歳の男子。齲蝕のない下顎右側第二小臼歯の頬側歯肉に瘻孔があり来院した。エックス線写真では歯根が未完成で根尖部に透過像がある。咬合面の中央には、小さな突起が折れたような跡がみられた。歯髄が感染した原因として考えられるのはどれか。
- ⑴ 隣の歯と歯冠が癒合した部分の溝から、細菌が入り込んだ。癒合歯は主に前歯部にみられ、所見と合いません。
- ⑵ 咬合面の中心結節が折れて内部の髄角が露出し、細菌が入った。中心結節には歯髄が入り込んでいることが多く、破折すると露髄して感染します。
- ⑶ 打撲によって歯根が折れ、その破折線から細菌が入り込んだ。打撲の既往の記載はなく、咬合面中央の破折の跡と合いません。
- ⑷ 根分岐部のエナメル真珠の周りから、細菌が歯髄へ入り込んだ。エナメル真珠は大臼歯の歯根面にみられ、小臼歯の咬合面の所見とは異なります。
- ⑸ 歯冠の内側にエナメル質が陥入した歯内歯から、細菌が入った。歯内歯は主に上顎側切歯にみられ、咬合面中央の突起の破折とは異なります。
解説
咬合面の中心結節が折れて髄角が露出し、細菌が入ったことが原因と考えられます。中心結節は小臼歯、とくに下顎第二小臼歯の咬合面の中央にみられる突起で、内部に歯髄が入り込んでいることが多くあります。萌出後に対合歯と接触して折れると露髄し、齲蝕がなくても歯髄が感染して根尖に病変を作ります。根未完成の歯では根の形成を促す処置を選びます。予防として、萌出直後に結節の周りを補強することがあります。
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