42歳の男性。1日20本の喫煙を続けている。職場の歯科健診で、歯肉の発赤とプロー…
42歳の男性。1日20本の喫煙を続けている。職場の歯科健診で、歯肉の発赤とプロービング時の出血はわずかであったが、複数の部位に深い歯周ポケットが見つかった。この所見についての説明として正しいのはどれか。
- ⑴ 喫煙で歯肉の血管が収縮して血流が減るため、炎症があっても出血が目立ちにくい。ニコチンによる血管の収縮で歯肉の血流が減り、炎症の徴候である出血や発赤が隠れやすくなります。
- ⑵ 喫煙者の歯周炎は、禁煙しても歯周治療への反応が良くなることはない。禁煙により歯周治療への反応が改善することが知られており、禁煙支援は治療の一部です。
- ⑶ たばこの煙で口腔内が乾燥し、主に齲蝕の原因菌が増えて歯周ポケットができる。歯周ポケットは歯周病原細菌による歯周組織の破壊で生じ、齲蝕の原因菌によるものではありません。
- ⑷ たばこのタールが歯面を覆って歯石の沈着を防ぐため、歯周炎は軽くすむ。喫煙者ではむしろ歯石の沈着が多く、歯周炎は重くなりやすい傾向があります。
- ⑸ ニコチンは歯肉の血管を広げるため、出血が増えて病状を見つけやすい。ニコチンは血管を収縮させ、出血をかえって少なくします。
解説
喫煙で歯肉の血流が減り、炎症があっても出血が目立ちにくいという説明が正しいです。ニコチンは血管を収縮させるため、喫煙者の歯肉は発赤やプロービング時の出血といった炎症の徴候が表に出にくく、見た目より歯周炎が進んでいることがあります。喫煙は歯周炎の重要な危険因子で、治療への反応も悪くしますが、禁煙によって反応は改善します。成人の歯科保健指導では、禁煙支援を歯周治療と合わせて行います。
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