化学工場の産業医から、塩酸や硫酸の蒸気が発生する作業場の労働者について相談を受け…
化学工場の産業医から、塩酸や硫酸の蒸気が発生する作業場の労働者について相談を受けた歯科医師が、関係する制度と歯科的な問題を整理している。正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 労働安全衛生法に基づき、事業者が歯科医師による健康診断を行わせる。塩酸・硫酸などの蒸気を発散する場所の業務は、労働安全衛生法で歯科医師による健康診断の対象とされ、事業者に実施義務があります。
- ⑵ 酸の蒸気に長くさらされると、前歯の唇側面を中心に歯の酸蝕症が起こる。酸の蒸気は口を開けたときに前歯の唇側に直接触れるため、酸蝕症は前歯部から現れます。
- ⑶ この業務の歯科医師による健康診断は、健康増進法に基づき市町村が行う。根拠は労働安全衛生法で、実施義務を負うのは事業者です。市町村が行うのは健康増進法の歯周疾患検診などです。
- ⑷ 酸蝕症は、歯の表面のプラーク中の細菌が作る酸で起こる。細菌が作る酸で起こるのは齲蝕です。酸蝕症は細菌によらない、外から加わる酸による歯の溶解です。
- ⑸ 酸の蒸気による歯の障害は、まず臼歯部の咬合面に現れる。酸の蒸気が直接触れるのは前歯の唇側で、障害はまず前歯部に現れます。臼歯の咬合面から始まるわけではありません。
解説
正しいのは、労働安全衛生法に基づく歯科医師による健康診断と、前歯の唇側に起こる酸蝕症の2つです。塩酸・硫酸などの蒸気を発散する場所の業務では、事業者が歯科医師による健康診断を行わせることが定められています。酸の蒸気は口を開けたときに直接触れる前歯の唇側面を溶かし、まず前歯部に酸蝕症が現れます。プラーク中の細菌が作る酸で起こるのは齲蝕であり、酸蝕症とは原因が異なります。
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