28歳の女性。妊娠10週。歯みがきのときの歯肉からの出血と、下顎左側第一大臼歯の…
28歳の女性。妊娠10週。歯みがきのときの歯肉からの出血と、下顎左側第一大臼歯の冷水痛を訴えて来院した。自発痛はない。この患者への対応として適切なのはどれか。
- ⑴ 妊娠後期には仰臥位で長く治療を続けても、母体の血圧は下がりにくくなる。妊娠後期は増大した子宮が下大静脈を圧迫し、仰臥位で血圧が下がりやすくなります。
- ⑵ 妊娠中の歯肉出血はホルモンによるものなので、歯口清掃の指導は出産後に回す。ホルモンの影響で歯肉炎が悪化しやすいからこそ、妊娠中のプラークの管理が大切です。
- ⑶ 急を要しない齲蝕の治療は、母体と胎児の状態が安定しやすい妊娠中期に計画する。妊娠中期は胎児の器官形成期を過ぎ、母体も安定しやすいため、通常の歯科治療に適した時期です。
- ⑷ 局所麻酔が胎児に及ぼす影響が大きいため、抜歯が必要になっても出産まで待つ。通常量の局所麻酔薬は妊娠中も使用でき、必要な処置を出産まで延ばす理由にはなりません。
- ⑸ 防護エプロンを着けても、妊娠の全期間を通じて歯科のエックス線撮影は行えない。防護をしたうえでの歯科エックス線撮影は胎児への被曝がごくわずかで、必要なら撮影できます。
解説
急を要しない治療は妊娠中期に計画するのが適切です。妊娠初期は胎児の器官が形成される時期で流産も起こりやすく、後期は仰臥位で子宮が下大静脈を圧迫して血圧が下がりやすくなります。妊娠中期はその間の比較的安定した時期です。通常量の局所麻酔や防護をしたうえでのエックス線撮影は妊娠中も行えます。ホルモンの影響で歯肉炎が悪化しやすいため、妊娠中こそ歯口清掃の指導を行います。
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