開頭手術後2日、A さんの全身状態は良好で、硬膜外ドレーンの排液も異常所見はなく…
次の文を読み94〜96 の問いに答えよ。A さん(53 歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のA さんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。
開頭手術後2日、A さんの全身状態は良好で、硬膜外ドレーンの排液も異常所見はなく経過している。看護師が訪室するとA さんは仰臥位で開眼し、「目が覚めたら病院にいて手術も終えていたので驚きました。今は気分もよいが、寝てばかりで背中が痛くなってきたので体勢を変えたい」と話す。看護師の対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 仰臥位を保持する。仰臥位のままでは静脈還流が得られず、背部痛の訴えにも応えられません。
- ⑵ 頭側を30 度挙上する。頭部からの静脈還流を促し、頭蓋内圧の上昇を防げる角度です。
- ⑶ 頭側を60 度挙上する。60度では脳灌流圧が下がり、頸部の屈曲も起こりやすくなります。
- ⑷ 頭側を90 度挙上する。90度では脳灌流圧の低下がさらに大きくなります。
解説
正解は⑵です。開頭手術の後は、頭側を15〜30度挙上することで頭部からの静脈還流が促され、頭蓋内圧の上昇を防げます。仰臥位のままでは静脈が戻りにくく、逆に60度や90度まで起こすと脳灌流圧が下がったり、頸部が屈曲して静脈が圧迫されたりします。あわせて頸部をまっすぐに保ち、急な体位変換を避けます。背部痛の訴えにも応えられる、根拠のある体位です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-03_04_05.html)を加工して作成